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チョイ掛け椅子「Stitz」

前回、北欧の新しいオフィスではすでにスタンダードになっているという、"立って仕事をするワークスタイル"を実現するデスクを紹介しましたが、そのための椅子というのはけっこう前からありますね。

代表的なのは↓こちら。

ドイツのオフィス家具メーカー・ウィルクハーンの「Stitz」。

イスというよりはスツールに近いかんじですが、下の部分が重しになっていて、ヤジロベェのようにユラユラと不安定な座り心地が特徴です。

そう、ゆっくりくつろげない、あくまで作業の効率性を重視したチョイ掛けイスなのです。

このコンセプトから会議室のイスなどに提案される("会議が短くなりますよー"と)のですが、実際の日本のオフィスでは、リフレッシュコーナーや社内のカフェテリアなんかに採用されるケースがほとんどですね(笑)

オフィス家具~デスクの高さ【2】

前回、デスクの高さについて考えてみましたが、こんな便利な時代、ありますね、お好みで高さを調整できるデスクが。

↓こんなんとか。

スタンダードデスクEX

高さを600~800mmに調整できます。
当然、構造的な理由からお値段は少々高くなりますが。。。(笑)

↓こちらのイケア家具ならもう少し安め。

galant.jpg
GALANT/ガッラント デスク

H620~920mmに可変。

こういうデスクを使うと、今度気になるのは、デスクを並べた場合高さがバラバラになるということですかね?
背の高い男性と背の低い女性が隣同士になった場合、けっこうな段差ができることが考えられます。
段差ができてなにか困るかというと、そう顕著な不都合はなさそうなので、意識転換の問題だけですかねー?

さて、そんなデスク高さの問題ですが、北欧ではさらにこの考え方を進めていたりします。

スウェーデンの家具メーカー「スカンジナビアン モダン」の"Sit & Standデスク"。
電動でデスクの高さを調整(700~1280mm)できる、この高機能デスクによって、シーンによって座って仕事をするケース、立って(!)仕事をするケースなどを提唱しています。


→「スカンジナビアン モダン」
http://www.scandinavianmodern.jp/default.aspx?ID=39


"立って仕事をする"ワークスタイル。
実はこれ、IT先進国スウェーデンをはじめ、北欧の新しいオフィスではすでにスタンダードだそうですよ。
進んでますねー(笑)

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オフィス家具~デスクの高さ【1】

現在、一般的な事務用デスクの天板の高さ(H)は700mmだと思います。
JISではデスクの高さは700と670の2種類だそうですが、700が主流となっていますね。

もともと旧JISでは740だったものが、1971年の改定で変更になったものなのですが、この旧JISのサイズは、戦後GHQの指導(?)で米軍の規格をそのまま持ちこんだもの、と言われています。
ちなみに、現在日本のオフィス家具のトップメーカーであるオカムラ(岡村製作所)が最初軍関連の仕事をしていて、戦後初の国産飛行機を造ったりしていたということからも、ソレとの関連を読み取ることができますw

新JISでの変更理由はよく知らないのですが、日本人の体格により合わせたものと言えるかもしれません。
しかし、ポイントは"1971年の改定"ということでしょう。

1971年ということは、まだパソコンはほとんど普及しておらず、つまりH700というのは、文字を"読み書き"をするのにもっとも適した標準的な高さとして設定された、ということです。

それでは、パソコンの普及が目覚しく、オフィスの事務仕事がアナログの文字の読み書きよりもパソコンでの作業が大半を占める現在、デスクのH700は適切なのでしょうか?

俗に、PC作業においてH700はちょっと高すぎると言われており、いわゆるPCラックと言われるPC専門机においては、キーボードを載せる天板部分はH600台がほとんどです。

このあたり、面白い考察をしているホームページを見つけたので、興味のある方は読んでみてください。


デジタル/シゴト/技術「机と椅子と机の上の環境」


そんなわけで、現在市販されているデスクのサイズ(高さ)が必ずしもベストでないと思いながら、SOHO用デスクを眺めてみると驚きました。

イトーキ、オカムラ、コクヨなどのいわゆるオフィス家具メーカー系のデスクはほとんどH700ですが、フランフランやIKEAなどの一般家具メーカー系はバラバラなんですねー。しかも720,734,740など、メーカー内で統一されてもいない(笑)

こちらは、フランフランのデザインデスク「BLITZ DESK」。

blitz.jpg

Z型の脚がカッコいいですが、H750。
この高さの根拠を店員に聞いてみましたが、「わからない」と言われてしまいました(笑)
ちなみに、通常のサイズのワゴンを使うとこの脚の補強(貫)が邪魔で奥まで入らず、前が出っ張るんですよね。
俗にいう、デザインに走りすぎちゃった! ってヤツだと思いますので、デスクを選ぶ際はこんなことも気にしてみてはいかがでしょうか?

[レイアウト]"モノクラス"という考え方

単純に島型レイアウトを採用した場合、案外知られていない欠点があります。
それは、机のサイズが2種類必要になるということです。

スタッフのデスクのサイズは、W1,200×D700が一般的だと思います。
その頭に、上司のデスクがくるわけですから、サイズはW1,400になりますね。
つまり、W1,200とW1,400のデスクが必要になるわけです。
(もちろん、スタッフもW1,400のデスクを使用すれば一種類ですみますが・笑)

mono_josi.gif


複数のデスクサイズの管理というのは、小さな事務所ではどうってことないですが、大人数の事務所の場合けっこう面倒だったりします。

そこで、採用されるのが"モノクラス(単一階級)"という考え方。

そもそも島型レイアウトの頭に机をつけるからW1,400のサイズが必要になるのですよね?
ならば、上司のスペースを切り離してしまえば、W1,200でも問題ないわけです。
もし、単純にスタッフと同じ大きさの机では面子がたたないと言うのであれば、椅子のグレードを上げるとか、サイドテーブルを足してあげるなど、デスクそのもの大きさとは別のところで工夫することはいくらでもできるでしょう。

mono_josi2.gif


さらに、この"モノクラス"という考え方を進めていくと。。。

たとえば、机を↓のようなワーキングテーブル+ワゴンというスタイルを選んだとします。



そこで、机だけでなくオフィス内のミーティングテーブルも同じワーキングテーブルを採用するのです。
"モノクラス"という意味で管理がしやすくなりますし、もし急にスタッフの増員が決まっても、とりあえずミーティングテーブルを机に流用することで急場をしのげます。

mono_meet.gif

また、この手のワーキングテーブルは安いもので1万円ぐらいから手に入りますしねー。
小さな事務所にとっては上司の机の件より、こちらの方がメリットあるかもしれませんね(笑)

IKEA(イケヤ)のデスクシステム

こういう系のデスク、個人的にはけっこう好きなんですよねー。

デスク
VIKA GLASHOLM(ガラス天板)+VIKA FURUSUND(収納ユニット)

なぜなら、バラせるので、ホームオフィスなどの一人でもレイアウト変更などカンタンにできますからね。引越し時もラクですよ(笑)

また、下の収納ユニットだけ買って、天板は自分の好きな木や古材などで仕立てたり。。。色々、アイデア次第で工夫できますよねー。

収納は立体的に。

前回考えた壁前レイアウトの弱点は、収納量の確保です。
これを少しでも回避するひとつの手段としては、デスクの上部を有効活用することが考えられます。

↓こういったデスクタイプを選ぶと上部に棚があって便利ですし、収納量を補えます。


コクヨ TENEROワークラック

外資系や大手企業の中でパーティションを使ったブース形のワークステーションを採用しているオフィスでは比較的デスク上部に棚を設けていますが、日本的(とくに島型)なオフィスの場合、けっこうデスク上部の空間は見過ごされていますね。

たしかに、島型の場合こういう棚があると、"コミュニケーションしやすい"という島型の利点が損なわれますからね(笑)

壁前レイアウトならそんな心配はないですし、デスク上部の空間に棚を設けることで、個人のデスク周りの収納量がアップしますので、合わせて"ファイリングシステム"を導入すると、"いつもデスクの上に書類が山積み"というオフィスの美化に一役かえますよー。

また、ホームオフィスなら壁面収納+デスクシステムが理想的ですよね。


drawing.gif
壁面収納システム[FOGA]


もちろん、お値段はそこそこ。。。(笑)

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Profile

市朗。横浜在住。建築学科卒。
オフィス家具メーカーの設計部に4年ほど勤務。
また、ベンチャー企業(スモールオフィス)勤務およびフリー(ホームオフィス)の経験もあり。
F.L.ライトやハンスJ・ウェグナーが好き。

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